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長年誰も住まず空き家になっていた 古民家に命を吹き込み再び甦らせる 時が遣って来た。 春日の家、築約80数年であろうか? なぜか、この家に住まれた先人達の顔が たくさん見えた気がした。 |
長年の雨風に絶えて来たこの家も 空き家になり、とうとう前回の台風で 屋根瓦が飛ばされ雨漏りが・・・ 何をさて置いても再生は屋根瓦から 始めなくてはならない。 |
これは箱棟・・・今回この箱棟は 再生して使うことになりました。 荒々しい波に力強く空を飛ぶ鶴達 新しく葺き替えられた屋根にこの波と 鶴達は再生され戻って来ることでしょう。 |
クレーン車のブームが空高く伸び 鉄のバケットが屋根に降ろされ土と瓦が 入れられる。 そうです!瓦の葺き替えが始まったのです。 瓦一枚落とすこと無く丁寧に積み込まれ そして速やかに 降ろされる。 |
大屋根の土と瓦が降ろされると 下屋根(ゲヤネ)の瓦を降ろす。 そして後を追うように根板が張られる。 土と瓦を降ろした後は薄い屋根板が現れ その上に厚い杉板を隙間無く張る。 |
地面に降ろされた瓦を水洗いし これから葺く瓦と同じイブシ色に 瓦一枚づつ丁寧に塗装する。 |
新しいイブシ瓦が葺かれる。 そして再生された箱棟の瓦が 元通りに積まれて行く。 この箱棟瓦一枚間違えると全て 合わなくなってしまう。 |
母屋の屋根が終わり、息つく間も無く 長屋門そして離れの屋根と全ての屋根が 葺き替えられた。 |
雨漏りの心配も無くなり解体工事 が始まった。 長年空家だったため床下は湿気が酷く 床は全て剥がされた。 |
湿気て腐った床に変わり新しい床が 張られる。 床下には断熱材が敷かれ杉のフローリングが 張られた。 |
屋根の勾配なりに母屋の天井が張られた。 曲がった大きな丸太の梁は表しにし、 杉の板を一枚づつ丸太に沿って削り合わせる。 |
長屋門はかなり傷みが酷く再生に 手間が掛かった。 床の間や違い棚は腐りを取り除き 元通り再生し床と天井を張る。 |
天井と床が張られ木工事は終わり 左官工事が始まった。 新しい壁に小舞を組み荒壁を塗り 乾くのを待つ。 |
荒壁が乾き、中塗りをする。 一壁一壁丁寧に、下地が 作られる、この中塗りで、 仕上げが決まるからである。 そして、仕上げまで時間を置く。 |
木部に塗装をする。 杉板を張った天井には柿渋を、 古い柱や鴨居には、ベンガラ色 を塗る。 |
壁の仕上げを塗る。 一階の壁には、珪藻土が塗られ、 二階は、漆喰仕上げがされた。 |
外壁が、塗られる。 古い壁は、全て剥がし、 補修がされた。 |
補修が終わると、中塗りをする。 鏝ムラ一つ無い下地が作られた。 |
外部の木部全てに、ベンガラ色が 塗られた。 長年、雨風に打たれた白く晒けた 木部は、見る見る打ちに、ベンガラ色で 甦って行く。 |
外壁に漆喰が塗られ、腰には重みを 出すために、玄昌石風のタイルを 張って、母屋の外壁が仕上がった。 |
そして、長屋門の外壁を直す。 古い壁は、落とされ再生をする。 |
長屋門内部、天井には 柿渋が塗られ、あのボロボロだった 壁は、漆喰で仕上げられた。 |
いつ壊れてもおかしく無い、長屋門の 外壁も漆喰壁で、再生された。 |
母屋に帰り、内部を見ると建具に 柿渋が塗られ、杉のフローリングにも 柿渋が塗られていた。 これで、再生工事が完了した。 |
これから、春日の家を一通り見て 回ることにしょう。 まずは、玄関内部から建具は そのまま再生され、土間には 御影石が張られている。 |
玄関から居間に入る。 昔のイメージを壊さぬように、気泡の 入ったガラス戸は、そのまま使用して 仕上げた。 |
既存和室8帖6帖の続き間。 柱、鴨居、長押などは、ベンガラ色に、 天井は、菜種油で古色を取り戻し珪藻土を塗る。 |
何十年も使われず、手も付けれなかったトイレが見事に甦りました。 昔のイメージを壊さず、新しい手洗いと便器を組み込んだ。 |
2階に上がると、書斎兼ギャラリー スペース。 屋根なりに張られた天井に、規則の無い曲がりクネッタ大きな梁が、この家の高級感を感じさせる |
長屋門の内部を見る。 柿渋の塗られた天井に、油を塗った柱と梁、真っ白い漆喰壁で小さな部屋ではあるが、一番落ち着ける場所である。 |
そして、長屋門の外部、内部の落ち着ける場所も、この外部の仕上がりでも解る。 |
完成した春日の家の全貌である。 この家で生まれ育った人達のために、 出来るだけ思い出を、壊さぬように 再生されました。 |
再生前 | 再生後 |
再生前 | 再生後 |
再生前 | 再生後 |
再生前 | 再生後 |
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