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民家吉岡塾にやって来た。 今回は母屋と右隣の物置小屋の再生 建物は築約80年くらいの民家であろうか? この塾で民家の再生を学ぶことにしょう。 |
外壁は黒漆喰のなまこ壁両側面は 壁が剥がれ落ちカラー鉄板が張られ ている。内外装を見ると少し地味な 感じを受けたが今回の民家塾で明るく スッキリとした民家に甦らせたい。 |
再生前の玄関先に居るのがこの塾の 塾長であろうか?(名前はモモ先生) 最後に凄い再生となるのでこの写真良く 覚えていて欲しい! |
今回母屋の瓦はすでに葺き替え られていたため物置小屋の屋根 の葺き替えから始まる。 土が敷かれた屋根瓦が空を舞い 降ろされその後を追うように大工さんが 新しい杉の屋根板を張って行く。 |
長年の役目を終えた瓦と バトンタッチをしたかのように 新しい釉薬瓦が葺かれる。 これからこの屋根をいつまでも 守り続けて欲しい。 |
母屋2階の解体工事が始まる。 古民家に良く見られる低い天井 この天井を全て撤去する。 (言い忘れましたが今回の再生は 塾の方が住みながらの再生工事 皆さんの大移動が始まりました。) |
2階の解体が進み天井が落とされた。 屋根裏を見上げると合掌と言う屋根組 になっていた。地松の曲がりくねった丸太 が重なり合い交差する。 解体ももう少し! きっと面白い吹き抜け天井になるだろう。 |
2階の解体も終わり天井が張られる。 天井は乾式工法で合掌を部屋の 一部とした使い屋根勾配なりに仕上 げられる。 |
丸太の梁には何やら文字が書かれている。 これはこの塾を建った大工さんが墨付けの際 竹で作られた墨指しで書いた文字! 昔の大工さんは達筆である!この文字は このまま部屋の中に残して置くことにした。 |
2階の床が張られる。 勿論杉のフローリングを・・・ 夏涼しく冬暖かく足に優しく体にも 良い!これはこの上で生活した人 にしか解らない床材である。 |
昔の土壁部分にを中塗りをする。 左官さんが一鏝一鏝丁寧に心を 込めて塗っているのが良く解る。 |
あっ!2階に塾長(モモ)の姿が!? どうやら塾長も気になり2階まで 上がって見回りをされた。中塗りをした 壁を見られて満足とのこと。 |
中塗が終わり仕上げの珪藻土 その前に古い丸太に塗装する。 塗装と言っても菜種油だ 自然の害の無い塗料である 白くカサカサになっていた丸太が 昔の色とつやを取り戻どした。 |
そして2階の壁の珪藻土を塗る。 中塗り以上丁寧に、そして心を込め 鏝ムラ一つ無く仕上げて行く。 |
壁が仕上がり舞良戸が切り嵌めされた。 窓枠や建具と床に柿渋を塗り仕上げをする。 塗り方は難しく塗り残しがあると白く型に なるので刷毛ムラが出ないように丁寧に 塗って行く。 これで2階は完成したが仕上がりは後の お楽しみ。 |
2階の工事も終わり1階の玄関 に移った。 梁を隠していた天井が剥され 古い柱と壁を隠していた合板 が取り除かれて行く。 全て剥されると古い梁や柱が 深呼吸するのが聞こえた。 |
解体が終わり昔の玄関が現れた。 そこに新しい桧の柱で補強され壁が 作られる。 玄関の奥に古い急な階段があったが 新しく地松の勾配のゆるい階段に入れ 替えられた。 |
玄関ホールの床が張られる。 地松の玄関框に式台が取り 付けられる。 勿論床は杉のフローリングだ! |
床が張られると下屋根(一階部分の屋根) に杉の天井板を張った後柿渋を塗る。 玄関中央部の天井板は昔のままで 菜種油を塗り艶と渋さと美しさが甦る |
壁の腰に見切りが入る。 同じ珪藻土で色分けをする。 落ち着いた雰囲気の玄関 ホールとなる。 柱一本一本テープで養生をし 丁寧に塗っているのが解る。 これも左官さんの心使いだ! |
玄関に玄昌石風の300角の タイルを貼り玄関が完成したが 仕上がりは後のお楽しみ。 |
そして台所の解体に取り掛かる。 ここも古い梁や柱が全て隠され てる。天井も壁も全て剥される。 |
解体の大きな音にビックリされ たのか?塾長が飛んで出て 来られた。 解体の音と解ると安心して 鼻なんか舐めたりして・・・。 |
古い梁を隠すための低い天井 もう一度梁を出し高くする。 これを造った大工さんも思いも しなかったことであろう? 大工さんが床を張り追われる様に 電気屋さんが配線をして行く。 |
壁は珪藻土床は杉のフローリング そして新しいキッチン据えられた。 今迄変化の無かった台所に曲がり くねった梁と黒光する柱が現れ 台所が甦り!奥さんの料理も甦った!? 照明器具が取付られると完成だ。 |
そしておばあちゃんの部屋へ・・・ 珍しくこの家で昔の梁が そのまま出ていたのはこの部屋 だけだった。 聞くところ冬には屋根の隙間から 雪が入って来たとか・・・? いよいよ解体が始まる。 |
誰かと思えば塾長が解体の手伝いに? あまりのホコリに塾長もマスクをして 出てきました。 |
6帖と3帖あったおばあちゃんの部屋 間仕切りの壁を抜いて9帖の一部屋に 大きな梁を見事に出して大工さんが 造作をする。 |
柱や梁には着色をせず油だけで 昔の色とツヤを呼び戻しした。 そして左官さんが壁を塗る 柱梁一本一本に養生のテープを 貼り壁を塗っている 手間は掛かるがこれも左官さんの 心の隠った仕事と言って良いだろう。 |
どうです?この黒光りする大きな梁! 油だけでこんな色とツヤが出ました。 壁も仕上がりましたコテムラ一つ無い 見事な仕上がりではありませんか? おばあちゃんの部屋も照明が付くと 完成です。 |
そして外部の再生が始まった。 足場を組み下地をキズ付けないように ヘラで丁寧に古い漆喰を剥す。 |
塾長の姿が見えないと思ったら 家の中に入ってしまいました・・・ どうやらホコリを吸い過ぎたのか? ガラス越しに塾長を見る。 |
古い漆喰が全て剥された。 これから中塗りをし漆喰を塗る。 今迄は、黒漆喰の壁であったが 今回の再生で白漆喰に仕上げる。 |
軒裏は丸くアールになっていた。 左官は息を殺しただひたすら鏝先を 見つめ鏝波一つ無く軒裏を丸く塗る。 |
漆喰塗が終わるとなまこ壁を作る。 軒裏の丸い壁以上に難しい作業だ。 小さい鏝で少しずつ盛り上げて行き 丸いなまこ壁を作る。 今ではこのなまこ壁を作る職人さんも 少なくなった。 ほとんどの職人さんが出来ないため 壊されてしまう。 |
なまこ壁を仕上げるまでにかなりの日数が 掛かったが見事に古いなまこ壁が甦った。 そして樋も掛けられ外壁が完成した。 |
そして中庭の整地をする。 古民家の中庭は意外と足元が ベト付き水はけが悪いこれは自社 独自の中庭整地工法で水はけを 良くし足元もベト付かなくなり歩きやすい。 |
再生工事は終わった。 それでは再生された民家吉岡塾の 全貌を見ることにしょう。 2階は2部屋・・・ 頭を打つような天井を取ると曲がり くねった大きな丸太の梁が姿を出す。 真っ白だった梁を着色もせず昔の 色を呼び戻す。 |
2階の部屋なのに吹き抜けを 感じさせる合掌組の高い天井。 吹き抜け風の部屋に珪藻土の壁 なぜか空気が美味しく感じたのは 私だけであろうか? |
玄関に入る・・・。 古い梁と天井に新材の桧柱と杉の床 新材と建具には全て柿渋が塗られ 日に日に濃い古色を出している。 |
ホールから玄関を見る。 杉で出来た大きな下駄箱据わり 今迄狭くて窮屈だった玄関が居間と 兼ねた広いホールになっていた。 右端に昔の量り吊り下がる。 |
台所は天井が剥がされ大きな梁が出た。 広さは変わらないが勝手口が付き 黒い丸太と珪藻土の壁でモダンな台所に なった。 |
隙間風と雪が入っていたおばあちゃんの 部屋も完成した。 東西南北に重なり合う大きな松の丸太を 見ながら寝るおばあちゃんの夢は何ですか? |
・・・そして物語最初で 「最後に凄い再生となるのでこの写真 良く覚えていて欲しい!」と言いましたが 写真の右端を良く見てください。 なんと!ポストも蔵風に再生されています。 吉岡塾のご主人が再生されたポストです。 壁がなまこ壁になっています。 |
・・・民家吉岡塾明るくスッキリ再生完了しました。 塾長も慌しく走り回り職人さんとお茶 してましたが、お落ち着いてお休みです 少し痩せたとか・・・?。 日本の民家は80年位ではビクともしない 建物です。この民家吉岡塾も100年 200年と生き続け行って欲しい。 |